お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? by ピーター・シフ 


"What About Money Causes Economic Crises?" with Peter Schiff - Ron Paul Money Lecture Series,
(04:17→41:00)

訳者:今年1月に翻訳したピーター・シフのレクチャーを一つの記事に纏めました。4年前の大統領選挙の前に行われたレクチャーです。

お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? by ピーター・シフ 

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お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? by ピーター・シフ 

以下は2010年から2011年ごろにロン・ポール主催の集まりでピーター・シフが行ったレクチャーです。
オーストリア学派の基本的な考え方を分かり易く説明しています。


"What About Money Causes Economic Crises?" with Peter Schiff - Ron Paul Money Lecture Series,
(04:17→41:00)

ピーター:みなさん、来ていただいてありがとう。ちょっとだけお金についてお話させてもらいます。

お金の役割の一つとして、お金は価値を保存するものでなければならないということがあります。
なぜそれがそんなに重要なことなのかというと、それは貯蓄を容易にするからです。もしお金の価値が時間と共に下がることが分かっていれば、誰もお金を貯めようとは思いませんよね。なので、価値を保存出来るものがお金でなくてはならないんです。

市場経済の中でなぜ貯蓄がそんなに重要なのかというと、現在の(ケインズをベースにした)社会通念とは逆なんですが、消費は経済を発展させないんです。消費が経済を発展させると信じている人達は、つまり馬の前に馬車を置いているのと同じです。実際には何が経済を発展させるかというと、消費の真逆です、それは過少消費、貯蓄、私達が使わないお金です。それらが経済を発展させるのです。なぜならお金を使わずに私達が貯蓄をすれば、そのお金で設備投資、事業拡大、雇用創出などに出資することが出来るんです。経済を発展させる全ての事柄は貯蓄から流れてくるんです。

”ウォール街を占拠せよ”の参加者たちのような人達からよく聞こえてくる声は、「ビジネスは雇用を生まない。」とか、「雇用創出者(ビジネスオーナー)に税金をかけろ」というものですが、それは違う。雇用創出者は消費者です。なぜなら彼らがお金を使ってるんですから、まぁ当然、お客さんがいなければビジネスは成り立ちませんが。この理論が何を見落としているかというと、消費者はどこからお金を得るのでしょう?仕事からですよね?だから消費者が雇用を創出しているとは言えない、なぜなら仕事が存在しなければ消費者は存在しないわけですから。だからこれは逆なんです。

消費者に購買力を与えるものは何なんでしょう?それは彼の生産力です。もしみんな全員が政府のために働いていて、政府がお金を印刷してみんなにお金を配っていたら、需要はなくなります。なぜなら供給がなくなるからです。買うものが何もなくなってしまうわけです。なぜなら誰も仕事をしなくなりますから。

何が購買力を作り出すのかというと生産です。生産は生産力から生まれます。で、何が労働者の生産力を上げるのかというと、資本です。それは彼らが使っている道具や機械などです。彼らが手だけしか使えなければ、彼らの作業効率は落ちるでしょう。貯蓄があるから、それらの道具や機械を買うことが出来るんです。

そして貯蓄は金利を決定するのを助けます。なぜなら金利はお金の重要な一面です。なぜなら金利は価格を表します。全ての価格は需要と供給によって決定されています。供給は全ての貯蓄です。需要はみんながお金を借りたいと思うことです。例えばビジネスのためとか、学費のためとか、車を買いたいとか、政府とか、、、お金を借りる人達の全ては貯蓄と競ってることになるんです。なぜなら、誰かが借りる1ドルは、誰かが貯めた1ドルなわけですから。誰かが使わずに貯めたドルがあるから、誰かがそのドルを借りて投資に使うことが出来るわけです。

で、もし沢山の貯蓄が存在すれば、金利が下がることになります。なぜなら供給が需要より大きいということですから。沢山の貯蓄が存在するということはどういう意味を持つんでしょうか?それは市場に対してどのような経済的シグナルを送っているということになるんでしょうか?

もし人々が沢山の貯蓄をしているとすれば、それは人々が現在消費するより、未来に消費することを選んでいるということになります。お金を貯めるということは消費を繰り延べているということです。あなたが貯めたドルの全てはいずれ使われることになります。ただ今日使わないだけです。(銀行に預けている間についた)金利とともに、明日使うだけです。なので貯蓄が沢山あり、金利が下がっているというシグナルを送るんです。そして消費が未来に繰り延べられているのだという認識の基に、経済が反応し投資が行われることになるんです。

あと、自由市場経済の中で人々が言うことに一つに、またこれも(ケインズをベースにした)従来の社会通念とは逆なんですが、物価は下がるものなんです。自由市場経済の中での自然な傾向は、デフレなんです。物価は下がるものなんです。

建国以来のアメリカの歴史では、物価はずっと下がり続けていたんです、中央銀行が設立されるまではね。私達のおじいさん、おばあさんは、彼らが子供だった頃どれだけ物が安かったか話をしますが、彼らの祖父母、またはその祖父母たちは全く逆のことを言うでしょう。彼らが子供だった頃、どれだけ物が高かったか、そして今どれだけ安いことか。

(訳者:アメリカの中央銀行は100年前(1913年)に設立されました。その設立について詳しく知りたい方は
マネーを生み出す怪物をお読みください。)

しかし政治家は「いや違う!インフレは良いことだ!通貨が価値を失うことは良いことだ!なぜならもし物価が上がらなければ経済が崩壊するからだ。」と私達に言います。そして人々が「物価が下がると惨事になる」と思い込むように仕向けます。しかし当然、それは真逆です。資本主義の中で価格の下落は恩恵です。物価の下落は給料の価値を上げ、貯蓄の価値を上げます。(訳者:同じ金額でより多くの物を買える=お金の購買力が上がる=お金の価値が上がる)

彼らは「物価が下がると誰も物を買わなくなる。より価格が下がるまで人々は待つようになるからだ。」と言いますが、それはバカバカしい話です。私達はみんな携帯電話を持っていますよね?ノートPCやプラズマテレビも持ってます。それらの価格は常に下がり続けています。でも価格が下がっているから人々がそれらを買わなくなるなんてことは起きてないですよ。それどころか、価格が下落することは、人々がそれらを買うことを後押ししています。

もし携帯電話が最初に売り出された頃ほど高かったら、この部屋に今いる人、誰も買えないでしょう。私達が携帯を買う理由は価格が下がってきたからです。(ケインズの)従来の社会通念とは全く逆です。価格の下落は需要を生み出すのです。

これは人々が貯蓄するまた別の理由になります。もしお金を貯めることで、お金の価値が上がるのであれば、未来により多くの物を買うことが出来るからです。それは金利が付いてきたからだけではなくて、お金の価値が上がったからです。

貯蓄が沢山あると金利が低くなり、貯蓄があまりないと金利が高くなる。
これの素晴らしいところは、例えば、貯蓄している人が少なくて、お金を借りたい人が多くいたとします。ということは、供給が非常に少なく、需要が多いということです。すると価格に何が起きるでしょう?価格が上がりますよね。金利が上がるということです。より高い金利は借金しようとする人々を阻むんです、だってより高くつくわけですから。そして人々を貯蓄に向かわせるんです。

最終的には、市場はこのようにして貯蓄と負債の間の均衡を保つんです。そして市場が金利を決定するんです。そして十分な財源を元に、投資が行われ、設備投資が行われるんです。


ここで問題があります。もう私達は本物のお金を持っていないんです。本物のお金とは何なのか殆どの人が知りません。私達が今持っているのは不換紙幣、またはお金の代用品というものです。中央銀行は何もないところからお金を作り出すことが出来るんです。彼らがお金を作り出す時、何も実際の価値を作り出しているわけではありません。お金を印刷しているだけです。なので、彼らがお金を印刷すると、すでに存在しているお金の価値が下落するんです。

---(訳者)----------
例えば、世の中にお金が100万円しか存在しないとして、それでコーヒー1杯が100円だったら、世の中のお金が200万円になった場合、コーヒーの値段は200円にならないと、同等の価値を保てません。1杯200円というのは、コーヒーの価値が2倍になったのではなく、お金の価値が半分になったということです。コーヒーの価値は変わっていません。
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あと中央銀行がお金を印刷する時、どのようにするのかというと、国債を買うんです。(訳者:財務省から国債を買い、通貨を印刷して支払う)なので彼らは短期金利をコントロールします。銀行に対するお金のコストですね。それをする時、中央銀行は金利を下げることが出来るんです。そうすると、貯蓄が沢山ある時と同じシグナルを市場に送っていることになります。だって金利が低いんですから。でも人々は貯蓄しているわけではありません。お金を将来使うことにしているわけではないんです。なので、偽りの経済シグナルを市場に対して送ることになるんです。そしてその偽りの経済シグナルの結果として、多くの行われるべきでない投資、実現性のない投資が行われるようになるんです。それらは偽りのシグナルの代償と言えるかもしれませんね。

私は不動産バブルが崩壊した時、当時のブッシュ大統領の発言についてよくジョークを言ってるんですが、彼は全てをウォール街のせいにしたんです。「ウォール街は酔っ払っていた!だから沢山のバカなことをした。」と彼は言ってたんですが、もちろん、ウォール街は酔っ払ってましたよ。でもブッシュは「なぜ、そうなったんだ?」とは聞きませんでした。ウォール街はどこでそんなに沢山のアルコールを手に入れたんでしょうか?なぜ酔っ払っていたんでしょうか?彼らが酔っ払ったのは、中央銀行が彼らにアルコールを注いだからです。アラン・グリーンスパンはとても長い期間、金利をとても低く抑え続けました。誰でも同じですが、酔っている時にはみんなバカなことをしますよね?次の日起きてシラフに戻るまで、自分がバカなことをしていたとは気がつかないでしょう?

ま、とにかく、これがビジネスサイクルを引き起こしているものなんです。一般の人々は、「ビジネスサイクルは資本主義の中での流れなんだ」と考えています。「理由は分からないけど、とにかく景気が急上昇したり、崩壊したりするものなんだ」と思っています。でもそうではないんです。これらの急上昇は、中央銀行が市場に介入して通貨を供給し、金利を操作することによって引き起こされるんです。中央銀行が金利を操作し、大量のお金を作り出して、これらのバブルに給油しているんです。これらの全てのバブルに共通していることは、負債です。それらの多くは、借金を財源としています。特に不動産市場はそうです。

人々が、本来買うことが出来ない(本人の支払い能力と本来釣り合いの取れない)家を買えるようにしたのは、フレディー、ファニー、FHA(住宅ローンを扱う金融機関)が住宅ローンを保証しただけではなく、金利がとても低かったからです。

アメリカで人々が家を買う時には、彼らは月払いで購入します。そして月払いは住宅ローン金利に影響を受けます。特にインタレストオンリー変動金利ローン(指定された最初の期間は金利のみを支払う金利変動型の借金)を利用している人にとっては低金利は彼らの支払いを本当に安いものにしていました。中央銀行が金利を1%にしていて、その一時的な低金利をもとに、銀行がティーザー金利(訳者:多分、先ほど話に出てきた、先に金利だけを支払うローンのことを指していると思います)を消費者に売り出していたんですから、当然、人々はどんどん深みにはまっていったわけです。これはお金のコストが安くなったために起きた現象です。市場に金利を決定させる代わりに、中央銀行で政策を決める人達が金利を選んでいるんです。で、なぜ彼らはそんなに低い金利を選んだんでしょうか?

その理由は、政治家が景気の急上昇が好きだからです。彼らは人々をいい気分にさせたい。有権者をいい気分にさせたい。そうすれば自分たちが再選されるからです。もし人々を不動産投資で儲かっている気分にさせたり、働かなくても儲かっている気分にさせれば、彼らを喜ばせることが出来ます。人々に沢山の所得税をかけている場合なんかは特にそうです。税金を沢山搾り取っても、人々に不動産で沢山儲かっているという幻想を抱かせておけば人々は税金に対して怒りませんからね。だから政治家は景気の急上昇が好きなんです。

で、みんな「景気の急騰はいいことだ」と思います。しかしそれが崩壊して不景気になったら議会や大統領は何をするんでしょうか?「景気刺激策が必要だ!不景気にするわけにはいかない!経済を刺激しなくてはならない!」と言い出します。彼らが理解していないのは、景気刺激策をするから不景気が起きるのだということです。景気刺激策が経済の急上昇を引き起こすんです。この景気の急上昇が問題なんです。この急上昇の間に全ての間違いが行われるんです。不景気の間には、それらの間違いが修正されるんです。不景気の間に治療が行われるんです。不景気は必要なものなんです。

「不景気が必要だ」というと、人々は「あなたはひどい人ですね。心のない人だ。」と言います。しかし、別に私は不景気を喜んでいるわけではないんです。でも不景気は必要なんです。

例えば麻薬中毒患者をリハビリ施設に入れ、麻薬を体から抜くとします。でも施設の人達は麻薬が抜けるまで彼が苦しむのを別に喜んでいるわけではないですよ。彼らは患者が苦しんでも麻薬が抜けるまで黙って見守ります。だってそれが治療の一部なんですから。

もしあなたが麻薬中毒で、麻薬を体から抜く時に苦しみだす度に、施設の人が麻薬を手渡してくれたら、いつまで経っても治療されませんよね?患者の間でそのリハビリ施設のスタッフの人気は上がるかもしれませんがね。だって苦しくなると麻薬をくれるんですから、ちゃんと治療をしてくれるから人気が上がるんではないですよ。

なので、安いお金の中毒症状が切れ始めた途端、人々は正気を取り戻すんです。「なんであんなコンドミニアム買ってしまったんだろう?信じられない!」とか、「なんであんなインターネット株買っちゃったんだろう?」とか。
熱狂が世のなかを覆っている時にはこれらが見えないんです。しかし、最終的に金利が上がります。で、ようやく間違いに気づくんです。

で、不景気の間に何が起きるかというと、市場がこれらの不均衡を修正しようとするんです。景気が急騰しているときには、資産が間違ったところに配置されています。すなわち資本、労働力が間違ったところに配置されているということです。不動産バブルの時には、多すぎる資本が、家の建設や、家のリフォームに注ぎ込まれました。多すぎる人々が家具や車を住宅担保ローンをもとに買っていました。多すぎる人々が住宅ローン業界や金融業で働いていました。人々は本来存在するべきでない仕事を得ていたんです。

経済の本来の意図とは、生産力を最大限に引き延ばし、私達の喜びとこれらの資産からの実用性を最大限に引き延ばせるようにするために、資産それは労働力と資本と土地のことですが、それらの資産を適切に配置することで、私達の生活水準を引き上げるということです

もし資産が、資本と労働力が間違ったところに配置されているのであれば、それらを修正しなくてはなりません。それはどういう意味でしょうか?バブルが弾けた時、何が起きますか?バブルが弾けた時、間違った投資をした人々がお金を失うんです。本来働くべきでないところで働いていた人々はそれらの仕事を失わなくてはならない。そうすることで彼らは別の仕事を得ることが出来るんです。

多くの場合、ワシントン(政府)は仕事を全て同じように扱います。人々が仕事を得ている限りそれでいいんだという姿勢です。例えば、誰かが溝を掘る仕事をしていて、別の誰かがその溝を埋める仕事をしていても、政府からすれば彼らは両方「就業している」ということになります。でも彼らは何のために就業してるというんですか?労働力として何の貢献をしているんですか?貢献はゼロです。地面に掘った穴を埋めて元通りにしたら、仕事を始める前の状態に戻しているだけです。
(訳者:或いは、猿しか住んでないところに橋を架けるとか、巨大な箱物作って大赤字の末にタダ同然で転売するとか。)

私達は仕事が欲しいからといって、無駄な仕事が欲しいわけではないんです。仕事は目的ではないんです。仕事は手段なんです。人々は仕事をして給料を貰い、色々買いたい物があります。しかし何かが生産されないとそれを買うことも出来ないんです。人々は生産性のある仕事に就かなくてはならない、これが重要なことなんです。

昔の崩壊する前のソビエト連邦は「私達の国には失業者はいない。」とよく自慢していました。「アメリカを見てみろ。失業者が沢山いるが、ロシアには失業者はいない。」当然です。国民全員が政府で働いていたんですから。みんな仕事に就いていましたよ。でもパンを買うためだけに6時間も並んで待たなくてはいけない状態でした。だって政府に雇われてるから、誰もパンを焼かなかったんですよ。(訳者:パンを焼いても焼かなくてもクビにされなかったので、生産効率が非常に悪かった、ということです)

なので、もし誰も何も生産しなくなったら、あなたの給料には何の価値もないということになります。なぜならそれはただのお金だからです。欲しいだけのお金をいくらでも印刷することは出来ますよ、でもそれでは何も解決しないんです。

今日、多くの人達が「需要が少なすぎる」といっています。「経済で問題なのはアメリカ人が貧しすぎるということだ。巨額の住宅ローン、カーローン、学生ローンを抱えている。彼らはお金を持っていないので、政府がお金を印刷しなくてはならない。そうすることで彼らがお金を使うようになる。」とケインズ学派の人達が言っているのをよく耳にします。

しかし、人々が貧しいからといってお金を追加しても何の問題解決にもならないんです。なぜならお金そのものには何の価値もないんですから。お金はのただの紙切れです。彼らが貧しい理由は、巨額の借金を抱え、生産性が低いからです。その事実をお金を増やすことで変えることは出来ません。

政府は「人々が貧しいので、政府がお金を使わなくてはならない」と言っています。政府はどのお金を使うって言ってるんですか?国民が無一文だということは、政府も無一文だということです。政府はどこからお金を得ているんでしょうか?月から送られてくるわけではないですよね?政府は国民から(税金を徴収することで)お金を得ているんです。国民が無一文で使えるようなお金を持っていないということは、政府も無一文で使えるお金を持っていないということです。なぜなら政府はお金を得るためには国民に税金をかけなくてはならないんですから。

今日ある通貨政策の問題点の一つは、人々が「国民に税金をかけなくてもいいじゃないか。ただお金を印刷すればいいんだよ。で、それを使えばいいんだよ。」と思っていることです。人々はまるでお金の印刷が何の悪影響も生まないかのように思っています。お金の印刷は税金なんですよ。あなたから直接お金を取り上げる代わりに、(通貨の価値を落とすことで)あなたのお金の購買力を取り上げるんです。

(訳者:オーストリア学派の人々はインフレを「隠れた税金」と呼びます。)

なので、税金として目には見えないが、税金を感じることになります。スーパーに買い物に行けば食料品と日用品の価格が上がっています。ガソリンスタンドに行けば、ガソリン価格が上がっています。多くの人々はそれがお金の印刷に関係していると理解していません。それが実は税金なのだということを理解していません。

だって政府とエコノミストが物価の上昇を「欲深い石油会社のせいだ」「OPECのせいだ」「自然災害のせいだ」「悪天候のせいだ」と言ってるんですから。だから人々は「政府のせいじゃないんだ」と思っています。そしてエコノミストが「物価が上がるのはいいことだ。でなければデフレになるからだ。」と言っています。「デフレにならないようにするために、物価の上昇は仕方がないことなんですよ。」と言ってます。だから人々は通貨の印刷が物価上昇を招いていることに気づかないんです。
(訳者:最近の日本では「デフレ脱却!」の呪文が効いています。)

なので政治家はやりたい放題出来る状態です。なぜなら国民はこれら全ての(人工的な景気の上昇によってもたらされる)利益がどのように賄われているのか、理解していないんですから。(訳者:通貨の価値を奪うことで賄われているということです。)

あと、このバブルの別の原因で、大きな問題である事実は、アメリカドルが世界の基軸通貨の役割をしているということです。

第二次世界大戦くらいまでは世界中の国々はゴールドをお金として使っていたんです。アメリカを含んだ世界中の国々は金本位制を使っていたんです。で、第二次世界大戦の後、アメリカは世界のゴールドのほぼ全てを保有していたんです。アメリカ政府は世界のゴールドの90%以上を保有していたんです。

で、どこでそれだけのゴールドをアメリカは手に入れたんでしょうか?全部自分たちで採掘したわけじゃないですよね?私達がそれらのゴールドを手に入れた理由は、世界が私達が生産した物を買ったからです。私達はどうやってそれだけの製品を生産出来たんでしょうか?それは当時アメリカが世界一自由な国だったからです。私達は他国より多くの資本(道具や生産設備を含む)を持っていて、より多くの自由を持っていた。その結果として、私達は他国より生産性が高かったんです。それで世界は私達が生産した物を欲しがったんです。しかし彼らは私達に製品を提供するための生産性がより低かったので、私達にゴールドを渡さなくてはならなかったんです。

そして私達は他の国々に対して新しい通貨制度を提案しました。それは、各国の中央銀行が通貨の価値をゴールドで裏付ける代わりに、ドルで価値を裏付けるというものでした。

当時ドルはゴールドで価値が裏付けられていました。当然、そうでなければ筋が通らないですよね。もしドルが何にも裏付けられていなかったら、世界をこの協定にサインさせるようにペテンにかけることが出来なかったでしょう。

当時みんなドルはゴールドと同等の価値があることを知っていました。アメリカは35ドルに対して1オンスのゴールドを渡すということを世界に対して約束したんです。世界にとってみれば、ドルを持っておけば金利が付きますが、ゴールドを持つと保管料がかかります。なので、ドルを持って、ドル本位制にして、ドルは世界の基軸通貨だし、ドルはゴールドで裏付けられているし、アメリカは世界一豊かな国だし、世界一の貿易黒字国だし、世界一の債権国だし、全てのゴールドを持っている、いい取引じゃないか、と思ったんです。

でも実際には、それは私達アメリカにとっていい取引だったんです。なぜならその特権を得た瞬間に私達はそれを悪用したんです。だって、いきなりこれからは全ての輸入品に対する支払いをお金を印刷して払えるようになったんですから。

本来、それらのお金を裏付けるのに必要な量のゴールドを保有していなくてはならなかったんですが、そんなこと政府はお構いなしに印刷し続けたんです。彼らは嘘をついてたんです。キャッシュ出来ない小切手を書いていたというわけです。それがバレないだろうと推測してね。

で、1960年代、”大砲とバター”経済(軍事と経済を両立させた経済)や、貧困との戦いや、偉大な社会や、月に行ったり、ベトナム戦争、、、沢山のことをしている間に、赤字が膨らんでいました。

そして私達にお金を貸している国々のいくつかがこれに気がつき始めました。そしてこれらの全ての借用書、すなわち連邦準備券(ドル)ですが、これらを全て裏付けられるだけの本物のお金、ゴールドをアメリカが保有しているわけないと気づいたんです。
(訳者:ベトナム戦争のための武器をアメリカに輸出して沢山のドルを受け取っていた当時のフランス大統領、シャルル・ド・ゴールがニクソン大統領に「フランスが持っているドルを全て渡すからゴールドを渡せ」と強く迫ったそうです。)

そして政治家は、正直な対応、すなわち、ドルの価値を落としてデフレが起きるのを許して政府の支出をカットする代わりに、彼らは急場しのぎなことをしたんです。考えられないようなことをしたんです。政治家はデフォルトしたんです。

ニクソン大統領は世界に対して「私達はあなた達が持っているドル、連邦準備券に対してゴールドを渡すと約束しましたが、もうこれからは何も渡しません。あなたがドルを持っていたければ持っていればいいですよ。でもあなたはそれに対してゴールドを受け取ることは出来ません。」と言ったんです。

その時点で世界は金本位制に戻るべきだったんです。でも彼らはそうはしなかった。彼らはドルを劇的に値下げしましたがね。1970年代にドルの価値は2/3くらい下がりました。

1970年代の始めには1ドルは4ドイツマルクでしたが、70年代後半には1ドルは1.5ドイツマルクになりました。1スイスフランは23セントから75セントになり、日本円は360円から150円くらいになりました。(訳者:正しくは250円くらいだったと思います)1970年代にドルは大きく下落したんです。

原油価格は1バレル3ドルだったのが、30ドルになったんです。これが原油価格上昇の理由です。アラブ諸国の問題のせいじゃなかったんです。原油価格の上昇はニクソンによって、政府がしたことによって引き起こされたんです。私達が印刷したお金によって引き起こされたんです。お金が価値を失ったんです。原油の価格は全く上がっていなかったんです。(訳者:ドルではない別の通貨、例えばゴールドやシルバーなどの価格と原油価格を比較した場合、原油価格は上がっていなかったということだと思います。)しかしドルが下落したために、原油が1バレル3ドルから30ドルに値上がりしたんです。そしてゴールド価格は35ドルから800ドル以上に上がりました。

1970年代に起きた他のことは沢山の女性が労働力として働き始めました。彼女たちが働き始めたのは、彼女たちが自由になったからではありませんでした。彼女たちはそれ以前にすでに自由になっていました。しかしこれら全てのインフレや税金のせいで彼女たちの夫は彼女たちを養えなくなったので、女性たちは働かざるを得なくなったんです。ドルの購買力が落ちると共に彼らの生活水準は著しく下がったんです。

私はよく原油価格の話に触れるんですが、人々はよくこういってます。「原油は今とても高くなったよね。ガソリンは1ガロンで4ドルもするよ。史上最高値だって。」でも実際には原油は高くなっていないんです。実際には原油は1950年代より安くなっています。それを言うと人々は「原油がより安いってどういうこと?」と言います。それは、1950年代、ガソリンは1ガロン25セントでした。たったの25セントです。でももしあなたが1957年モデルのシボレー(車)を持っているなら、クッションの下を探してください。そこにもし1957年にポケットから落ちた25セント硬貨が見つかれば、それを使って現在でも1ガロンのガソリンが買えますよ。おつりももらえます。1957年より今のほうがガソリンは安いんです。これはなぜかというと、本物のお金(ゴールド)はその価値を保ってきたからです。原油価格が上がっていると私達が思う唯一の理由は、それを価値の下落したドルで支払っているからです。

で、何の話をしてましたっけ?あ、そうです。生活水準が70年代に著しく下がったっていう話でしたね。

でも世界はドルを値引きしましたが、ドルが崩壊した後、安定したんです。安定したのはポール・ボルカーが中央銀行のトップになって、金利が20%まで上がったからです。そしてロナルド・レーガンが大統領に就任し、政府を縮小し、規制を緩和し、政府の支出をカットすると世界に約束したんです。それがドルの信用失墜を止めるのに役立ったんです。

で、ドルは何の裏付けもなくなったんですが、それでも世界はドルを基軸通貨にして機能し続けたんです。でもこれは問題なんです。なぜなら、ドイツマルクはドルによって価値を裏付けられていたんです、で、ドルはゴールドによって裏付けられていた。でもドイツマルクがドルに裏付けられていて、ドルが何の裏付けも持っていなければ、ドイツマルクも何の裏づけも持っていないということになります。

この時に、私達はこの壮大な実験に乗り出したんです。今まで(世界の歴史の中で)何度も試されてきて全て失敗に終わってきた実験、不換紙幣です。世界中が不換紙幣のシステムを使うようになったんです。

しかしドルが何にも裏付けられていないということを世界が知った後、政府が赤字を出すことはより簡単になりました。ドルがゴールドで裏付けられていた頃には、アメリカが必要なだけのドルを保有していないことがバレるんじゃないかと心配しながら「何の問題もない」というフリをしなければなりませんでした。ジョンソン大統領がやっていたようにね。でも世界に「あなたの持っているドルは何とも交換しませんよ。」と言ってからは(大っぴらに)どれだけドルを印刷しても構わなくなったのです。

その瞬間からアメリカはこの大規模な変化を遂げ始めたのです。世界一の債権国から世界一の債務国へ。低コストで高品質な製品の世界一の生産国から、、、昔アメリカは全ての低コストの製品を国内で生産していたんです。世界一賃金が高い国であったにも関わらずです。昔輸入品は高価なものだったんです。昔は輸入品を買えるということはあなたがお金持ちだという証拠であり、自慢だったのです。

全ての低価格製品はここアメリカで生産されていたんです。それはアメリカの労働力が低賃金だったからではありません。実際にはアメリカの労働力は世界一賃金が高かったのです。でもアメリカの労働力は世界一、生産性が高かったんです。彼らは世界一資本を持っていた。道具と設備を世界一持っていたんです。そして商売をするのに、世界一規制が緩い国だったんです。自由が私達を豊かにしたんです。

しかしそれらは全て変わってしまい、私達は印刷機を回す(通貨を印刷する)ことで生きるようになってしまったんです。


なぜならドルが何もないところから印刷されて生まれてくる上に、世界がそれを受け入れるので、私達はタダで貿易国から様々な製品を買うことが出来たんです。

例えば中国人がアメリカ人のために製品を生産する際には、彼らは土地、労働力、資本を用意しなくてはならない上、工場で一所懸命働かなければなりません。で、それらの製品に対して私達は彼らに何を渡すんですか?印刷機で刷った、ただのお金(ドル)です。で、中国人はそのドルをどうしているんでしょうか?どうも出来ません。彼らが唯一できる事といえば、アメリカ国債を買って私達にお金を貸すだけです。国債ってなんですか?またドルを印刷するってことです。

多くの人々は、中国とアメリカの現在の関係で、中国がアメリカから利益を得ていると勘違いしています。彼らは私達から全く利益を得ていないですよ。私達が利益を得ているんです。

私達が全ての物(生産物)を得ていて、彼らは仕事を得ているんです。でも何の物も得られないのに、仕事をしてそれに何の利益があるっていうんですか?するとアメリカ人は「でも彼等は仕事を得ている!」と言います。だからどうだと言うんですか?その仕事が彼等を奴隷にしているのと同じです。奴隷にとってはいい取引かもしれませんがね。彼等が生産したものを全て私達が得ているということは、これらの仕事は中国人にとってはいい取引ではないんです。

輸出の本来の意図というのは、仕事を作り出すことではありません。仕事を減らすことです。国が何かを輸出する理由は、何か別の物を輸入するためです。なぜならその輸入した物を消費したいからです。どうやって出来るだけ多くを消費することが出来るんでしょうか?

もし何かあなたが他者より上手く効率的に作れるものがあるなら、他の全ての物を自分で作ろうとするよりも、自分が人より上手く作れる物と、他者が自分より上手く作れる物を交換したほうががいいでしょう?

(訳者:例えば、山に住んでる人が山菜を取ってきて、海のそばに住んでる人が魚を釣ってきて、それぞれの品物を交換するほうが、山に住んでる人がわざわざ海まで出かけて慣れない釣りをして魚を得ようとするより、効率良く欲しい物を手に入れられる、ということです。)

あなたが輸出をする理由は、そうすることで何か他の物を買いたいからです。仕事を得るために輸出するんではありません。そんなことをすれば、あなたのところの労働力を無駄にしているだけです。

で、アメリカが世界の国々と貿易する時何が起きるかというと、彼等は自国で生産した物を私達に送ってきます。で、私達は彼等に「私達はあなた達に渡せる生産物はありませんよ。でも私達は借用書を持っています。ドルのことです。ドルをあなたに渡すことでいいですか?」と言います。すると世界はドルでいいと受け付けるんです。なぜならドルが世界の基軸通貨ですから。多分彼等は「いつかこのドルで何かを買おう」と思っているんでしょう。でも彼等は(私達から)何を買うことが出来るんでしょうか?年々、アメリカで生産される製品は少なくなっています。中国人が買いたいと思う物は全て中国で作られています。(訳者:全てを輸入し続けた結果、アメリカではもう殆ど何も生産されていないということです。)

このような仕組みがずっと今まで続いてきました。

で、今、全てがバブルになってしまいました。全てがインチキ経済になってしまいました。

アメリカ人が自分たちで生産したわけでもない、本来買えないはずの製品を買うために、自分たちが貯めていないお金を借りる、ということを前提にした、インチキ経済です。全てがインチキなんです。

で、アメリカの経済政策の全てはこのインチキ経済を継続するように設計されているんです。

(政府は)このインチキ経済が修正されることを許さないんです。なぜなら、その修正が行われるということは不景気になるということだからです。

私達は沢山の問題を抱えています。アメリカ経済の一番大きな問題は、金利が低すぎるということです。金利は上がらなくてはなりません。金利が上がらない限り、経済復活はありませんし、経済発展もありませんし、生産性の高い仕事を作り出すことも出来ません。金利が上がるととても辛いことになります。なぜならアメリカは巨額の借金を抱えているからです。金利が上がると具体的に何が起こるんでしょうか?

金利が上がれば銀行が破綻します。今度は政府は彼等を救済することは出来ません。不動産市場では何が起きるでしょうか?不動産価格はより下がります。これは下がらなくてはならない、これは修正の一部なんです。不動産価格は高すぎます。今でも高すぎなんです。

金利が上がると政府はどうなるんでしょうか?政府は支出を劇的に減らさなくてはならなくなります。そして今まで売った全ての国債に対してデフォルトしなくてはならなくなるかもしれません。

なぜなら、政府が借金の金利を支払えている唯一の理由は利率がとてもとても低いからです。じゃぁ、金利があがったらどうなるんですか?政府はそんな金利支払えません。ギリシャが国債を償還出来なくなったのと同じように、私達も支払えなくなります。

暫くの間ギリシャの金利は記録的な低さだったんです。で、ギリシャは何の問題もなかった。しかし金利が上がり、今、危機に直面しています。ここアメリカでも同じことが起きますよ。人々は「そんなことはアメリカでは絶対に起きない。なぜなら金利が上がることは絶対にないからだ。」と思っています。しかしそれは不可能なことです。金利は必ず上がります。

金利を人口的に低く抑えることで引き出される結果はなんでしょうか?それは私達が経済をめちゃめちゃにし続けるということです。自由市場の原理が不均衡を修正することを許さず、不均衡を大きくしているんです。


経済刺激策という毒を使えば使うほど、、、経済刺激策とは毒なんです。毒性のある鎮静剤です。最終的に過剰摂取になるんです。

もし金利を低いまま押さえつけたら、誰も貯金しなくなります。価値が下落し続けるお金を誰が貯金するというんですか?なので、貯蓄が損なわれます。そして経済が資本や成長や生産性を作り出す能力を損ないます。そしてとてつもないインフレを生み出します。

政府は暫くの間、インフレを隠すことが出来るでしょう。彼らは意図的に消費者物価指数を低く計算できる計算式を使って指数を低く出しています。この計算式はインチキです。これは数値を低く出すように意図的に作られたものです。彼等がインフレを測定する時、彼等は実際にはインフレを計算しているわけではなく、インフレの影響を算出しています。

しかしどこかの時点で、インフレが明白になり、それが価格に及ぼす大きな影響が明らかになり、政府はインフレが起きていないというフリをし続けることが出来なくなります。

その時、金利が上がるんです。そして大変な事態になるんです。その時が銀行が破綻する時です。

---(訳者)--------------
このレクチャーは3年ほど前に行われたものですが、もう上で説明されている時が来てしまっている、とオーストリア学派の人達が言っています。先日のジム・シンクレアのインタビューでもそう彼は説明していました。これ以上、今までのペースで量的緩和を続けると、ドルが紙切れへ。量的緩和を止めるまたは減らすと金利が上がる。その瀬戸際がもうすぐそこまで来ているそうです。
現在世界一の規模で量的緩和をやっている日本もインフレがすごいことなってきてます。このまま通貨が紙くずになるまで量的緩和を続けるのか、量的緩和を減らすのか、、、多分、安倍政権は紙切れになるまで通貨を印刷するほうを選ぶんだろうなと私は思ってます。
-------------------------

今度銀行が破綻する際に、中央銀行が正しいことをして金利を上げれば、銀行が破綻して債権者がお金を失うだけでなく、預金者もお金を失うことになります。なぜなら、政府が国の借金を返せないのに、どうやってFDIC(連邦預金保険公社)を救済することが出来るんですか?どこからそんなお金が出てくるというんですか?なので、とてつもなく大きい損失が出るということになります。

アメリカ政府の政策の全ては、最後の審判の日を次の選挙の後に延期するように設計されてるんです。議会が考えてることはそれだけです。「大変なことが起きないようにどうやって2012年をやり過ごすか?」彼等は自分たちが推し進めている政策が全ての問題をより悪くしていたって、そんなことどうでもいいんです。経済を見てください。彼等は「あぁ、経済は成長していますよ。GDPを見て下さいよ。」と言ってます。

経済は成長していません。私達はより多くの借りてきたお金を使っているんです。こんなの経済成長じゃないですよ。国の負債を見てください、オバマが大統領に就任して以来、ここ2,3年で負債がどれだけ急激に膨らんだのかみて下さい。負債はGDPなんかよりずっと成長しています。これら全ての消費が負債で賄われているんです。こんなの本物の繁栄じゃないですよ。インチキです。こんなのバランスシート(貸借対照表)の片側だけ見てるのと同じですよ。資産のところだけ見て、全ての負債を無視しているのと同じです。または、損益計算書を手にとって、収益のところだけを見て、経費のところを見ていないのと同じです。GDPが上がったからと言って状況が良くなっているのではないんです。GDPが上がって(負債がGDP以上に増えているので)状況はより悪くなっています。

それらのお金はどこから来たんですか?借りたんです。で、それをどうしたんですか?消費するために使ってしまいました。投資もしませんでしたよ。設備を買ったりしませんでした。私達はその借りたお金を吹き飛ばしたんです。政府が使ってしまいました。

(訳者:現在、日本の政府は借りてきたお金を公共事業で吹き飛ばし続けてる最中です。)

1990年代に中央銀行が安いお金を供給した結果、起きたバブルは、株式バブルでした。
そのバブルがはじけた時、市場が自然に問題を修正するのを許す代わりに、私達は意図的により多くの刺激策を導入し、それが不動産バブルを起こしました。

不動産バブルがはじけた時、「前回のバブルの後間違ったことをしてしまった。今回は正しいことをしよう。市場に問題を浄化させよう。」と認める代わりに、もっと辛い不景気を経験することを私達は選んだんです。

バブルの度にちゃんと治療しなかったために、弾けた時に起きる不景気はより辛いものになっていったんです。で、住宅バブルのあと、現在、私達は国債バブルを膨らませています。国債バブルは住宅バブルより大きいです。株式バブルより大きいです。で、このバブルも破裂しますよ。今まで破裂したバブルと同じようにね。このバブルだけは破裂しないなんてことはないですよ。そのの兆候は国債市場にも現れていますし、通貨市場にも現れています。

私達が通貨を印刷し続け、巨大な不均衡を作り出し、通貨を安全でないものにしてしまった結果、これからやってくる本当の危機は、公的債務危機です。アメリカ国債の崩壊です。そして現在ヨーロッパで起きているユーロ通貨の崩壊よりももっと大きなスケールで起きるドルの崩壊です。

覚えていますか?住宅バブルに最初にヒビが入り始めた時、最初にサブプライム市場にサインが出たんです。TVに登場した政府やウォール街のエキスパート達はみんな「心配はいりません。状況はちゃんと管理されています。サブプライムだけのものですよ。とても小さな問題です。心配いりません。市場は安全です。」と言っていました。

その同じ時、私は「それは嘘です。これはサブプライムの問題ではないですよ。住宅ローン全体の問題です。住宅ローン全体の問題の最初の症状がサブプライムに出ているということです。症状がすでに出ているということです。感染を広がるとかそういう問題ではない。みんなすでに病気になっているんです。ただ症状が出るのに時間がかかっているというだけのことです。」と言っていました。

(訳者:Youtubeにピーターシフが当時様々なTVに登場し、発言して、ケインズ学派のエコノミスト達に笑われている映像が沢山アップされています。当時ケインズはみんな「問題ない」と言っていました。ケインズ学派の世の中は誰も当時ピーターの言っていることが本当になるとは思っていませんでした。オーストリア学派はみんなピーターと同じことを言ってましたが。)

同じことが公的債務の問題でも言えます。これはイタリアの問題でもなく、ギリシャの問題でもなく、アイルランドの問題でもないんです。これは負債の問題なんです。で、アメリカはヨーロッパより多くの負債を抱えています。

アメリカがお金を印刷出来て、そのお金が世界の基軸通貨だからといって、私達だけはこの法則から逃れられるというわけではないんです。現在、国家が責任を問われるという歴史的に重要な時を迎えています。イタリアとギリシャが、国民の支払能力を超えたお金を借りたように、アメリカも国民が絶対に支払えるはずがない規模のお金を借りています。

これらの借金を税金を1%上げたくらいで返せません。(すでに)税金を99%引き上げても支払えないんです。国家の歳入全てを返済に充てても支払えないんです。

(訳者:多分、日本の負債も似たようなレベルなのでは?こないだ池上彰さんの番組で、「日本の国の借金は年収500万円世帯当たり、1億円」って言ってました。それがホントなら、どんなに頑張っても絶対に返せないと思います。しかも国の借金は1秒間に330万円づつ増えてるそうです。税金払うのがほんとにイヤになります。バカバカしい。)

改革をしなくてはならず、いずれかの方法でデフォルトをしなくてはならないんです。
デフォルトには2つの方法があります。

私達は合法的にデフォルトすることが出来ます。
これは議会が債権者に「これらの国債に対して100%支払えません」と伝えます。そして公的年金や社会保障の給付金を受け取っている人達、これから受け取るつもりの人達に「申し訳ないが、お金がないので約束した通りのお金全てを渡すことが出来ません。」と伝え、減額して少しでも渡すことが出来るようにします。

或いは、通貨を紙切れになるまで印刷するか、です。そしたら「1コンチネンタルの価値もない」ではなく、「1連邦準備券の価値もない」って言わなくてはならなくなります。

--(訳者)-------------------
「1コンチネンタルの価値もない(not worth a Continental)」はアメリカの慣用句で、「一文の価値もない」という意味です。コンチネンタルとは18世紀にアメリカが独立戦争でイギリスと戦争をしていた時に、使われていた通貨(不換紙幣)です。戦争費用を捻出するために印刷しすぎて紙切れになってしまいました。なのでアメリカでは「 一文の価値もない」という時に「1コンチネンタルの価値もない」と言います。
-----------------------------

いずれにしても、アメリカにお金を貸している人達はお金を失います。貯蓄をしている人達もお金を失いますし、債権者もお金を失います。お金を返してもらえないか、返してもらったお金に価値がないか、どちらかです。
(訳者:これと似たような質問で、ウンコ味のカレーとカレー味のウンコどっちがいい?って小学生の時に聞かれたことがあります。)

問題なのは、長く待てば待つほど、みんなにとって悪い状況になることです。そして経済に対するダメージがより大きくなるんです。なぜなら、これらの悪い投資がどんどん増えるのを待てば待つほど、崩壊する時の影響が大きくなります。そして問題を修正して市場の均衡を取り戻すのがより難しくなります。

市場の均衡を取り戻すプロセスの一部は安定した通貨に戻ることです。金本位制に戻ることです。私は世界が金本位制に戻ると思っています。分からないのは、それまであとどれくらいかかるのか?そしてゴールドはその時いくらくらいになるのか?

しかしとにかく、金本位制に世界が戻れば、議会に規律が戻ってきます。なぜなら議会は納税者からお金を徴収しないとお金を使えなくなるからです。私達はお金をただ印刷することが出来なくなり、貿易赤字を膨らませることが出来なくなり、何かを輸入するのであれば、何かを輸出しなくてはならなくなります。輸出出来なければ、支払いにゴールドを渡さなくてはならなくなります。これが市場に均衡を取り戻させるものなのです。

長く待てば待つほど、間違いが積み重ねられ、問題を解決するのがより大変になります。

私達の自由に対する本当の脅威は、、、これからやってくるこの本物の危機、経済危機、金融危機は2008年に起きたものよりずっとひどいものになります。問題なのは、これらの全ての問題は政府が起こしたものです。政府が経済に干渉した結果、これらの問題が起きたんです。政府はこれら全ての、歪み、規制、助成金、お金の印刷を作り出しました。しかし、政府は自分たちの作り出した問題の責任を資本主義に擦り付けています。政府は資本主義と社会主義をごちゃまぜにして、問題を作り上げ、「ほら、資本主義は機能しないんですよ。あなたたちにはもっと大きな政府が必要なんですよ」と言い、政府をより大きくします。するとより多くの問題が作り出されるんです。

で、今回の問題はとてつもなく大きな問題なので、最終的に全て政府が支配する社会になってしまうかもしれません。(訳者:社会主義国になってしまうかもしれない、ということ)そうなると、私達のこの国の骨組みが完全に変わってしまうことになります。

だから議会には、これらの問題の根本原因をちゃんと理解している人達が出来るだけ多く入っている必要があるんです。これはあなたたちが誰に投票するかにかかっているんですよ。これらの問題が作り上げられたのは、「自由過ぎたから」でも「資本主義が過ぎた」からでもないんです。真逆です。政府が、市場に介入し市場を歪ませ、全てを細かく管理しようとした、そして、これらの全ての問題が作られたんです。

解決方法は市場に存在するんです。
解決方法はより大きな政府ではありません。より小さな政府が解決方法なんです。


市場を歪ませたこれらの全ての法律や規制を取り払い、安定した通貨(金本位制)に戻ることです。それをすれば、本物の経済成長と本物の発展を手に入れることが出来ます。

ちょっと我慢して痛みを受け入れなければならないですがね。苦い薬のようなもんです。でもそれで治るんだったら、それを飲まなくてはなりません。でももしあなたが病気でないフリを続けたり、症状を隠し続ければ、病気はどんどん悪くなります。それは間違った方向です。

では、質問を受け付けます。

(訳者:ここで終わりにします。)

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私達はワイマール共和国と同じ道を歩んでる by ピーター・シフ 2010年10月13日

私達はワイマール共和国と同じ道を歩んでる by ピーター・シフ 2010年10月13日


L: でもあなたは、政府は正しいことをしないだろうと言ってますよね?

シフ: そうです。政府が正しいことをする可能性は現在ゼロです。中央銀行が量的緩和を続ける限り、彼らは正しいことを絶対にしない

L: じゃぁ、正しいことが行われない世の中で、どのような大惨事が私達を待ち受けてるのか説明してもらえますか?

シフ: 彼らは量的緩和を続けます。なのでそのうちドルの価値が下がり続け、商品価格が上がり続けます。そしてどれだけのインフレになっているのか隠そうとする政府の必死の努力も虚しく、消費者物価指数が上がりだします。最初は彼らはコアだけだから大丈夫ですよ、と言います。次に、食べ物とエネルギー価格だけ年間10%、15%、20%上がるくらい大丈夫ですよ、と言う。しかしどこかの時点でインフレ率が明らかに高くなりますが、中央銀行は金利を上げてインフレを抑制することは出来ないといいます、なぜならまだ失業率が9,10,11%もありますから、と言って、QE2(量的緩和2)、QE3、QE4、そしてずっと続け、国債をもっともっと買い続けます。

(訳者:数日前にFRBは「量的緩和を終了する」と発表しましたが、オーストリア学派の人達は「また暫くして市場がパニックになればまたすぐに再開するよ。」と言ってます。ま、これはオーストリア学派だけでなく、みんなそう思ってると思いますが。)

そしてそのうち、底が抜けてしまい、ドルはより早く下がりだし、中央銀行が買っていない債券の全ての金利が急激に上がりだします。国債利回りは中央銀行によって抑制されるかもしれませんが、地方債利回りは急騰し、社債利回りも急騰します。そして中央銀行はそれらの債券も買うべきかどうか考えるようになります。そしてもし、中央銀行がそれらも買うことにしたら、通貨が完全に崩壊します。そして全てが同時に崩壊するんです。

L: 本当にそんなことが起きる可能性があると思ってるんですか?

シフ: 当然です。私達はワイマール共和国(訳者のコメント:1920年代にハイパーインフレで社会が完全に崩壊したドイツ)と同じ道を歩んでる途中なんですよ。まさに私たちはそこにいるのです。

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お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? (8 最終回) by ピーター・シフ 

以下は2,3年前にロン・ポール主催の集まりでピーター・シフが行ったレクチャーです。
オーストリア学派の基本的な考え方を分かり易く説明しています。


(33:37→41:00)

今度銀行が破綻する際に、中央銀行が正しいことをして金利を上げれば、銀行が破綻して債権者がお金を失うだけでなく、預金者もお金を失うことになります。なぜなら、政府が国の借金を返せないのに、どうやってFDIC(連邦預金保険公社)を救済することが出来るんですか?どこからそんなお金が出てくるというんですか?なので、とてつもなく大きい損失が出るということになります。

アメリカ政府の政策の全ては、最後の審判の日を次の選挙の後に延期するように設計されてるんです。議会が考えてることはそれだけです。「大変なことが起きないようにどうやって2012年をやり過ごすか?」彼等は自分たちが推し進めている政策が全ての問題をより悪くしていたって、そんなことどうでもいいんです。経済を見てください。彼等は「あぁ、経済は成長していますよ。GDPを見て下さいよ。」と言ってます。

経済は成長していません。私達はより多くの借りてきたお金を使っているんです。こんなの経済成長じゃないですよ。国の負債を見てください、オバマが大統領に就任して以来、ここ2,3年で負債がどれだけ急激に膨らんだのかみて下さい。負債はGDPなんかよりずっと成長しています。これら全ての消費が負債で賄われているんです。こんなの本物の繁栄じゃないですよ。インチキです。こんなのバランスシート(貸借対照表)の片側だけ見てるのと同じですよ。資産のところだけ見て、全ての負債を無視しているのと同じです。または、損益計算書を手にとって、収益のところだけを見て、経費のところを見ていないのと同じです。GDPが上がったからと言って状況が良くなっているのではないんです。GDPが上がって(負債がGDP以上に増えているので)状況はより悪くなっています。

それらのお金はどこから来たんですか?借りたんです。で、それをどうしたんですか?消費するために使ってしまいました。投資もしませんでしたよ。設備を買ったりしませんでした。私達はその借りたお金を吹き飛ばしたんです。政府が使ってしまいました。

(訳者:現在、日本の政府は借りてきたお金を公共事業で吹き飛ばし続けてる最中です。)

1990年代に中央銀行が安いお金を供給した結果、起きたバブルは、株式バブルでした。
そのバブルがはじけた時、市場が自然に問題を修正するのを許す代わりに、私達は意図的により多くの刺激策を導入し、それが不動産バブルを起こしました。

不動産バブルがはじけた時、「前回のバブルの後間違ったことをしてしまった。今回は正しいことをしよう。市場に問題を浄化させよう。」と認める代わりに、もっと辛い不景気を経験することを私達は選んだんです。

バブルの度にちゃんと治療しなかったために、弾けた時に起きる不景気はより辛いものになっていったんです。で、住宅バブルのあと、現在、私達は国債バブルを膨らませています。国債バブルは住宅バブルより大きいです。株式バブルより大きいです。で、このバブルも破裂しますよ。今まで破裂したバブルと同じようにね。このバブルだけは破裂しないなんてことはないですよ。そのの兆候は国債市場にも現れていますし、通貨市場にも現れています。

私達が通貨を印刷し続け、巨大な不均衡を作り出し、通貨を安全でないものにしてしまった結果、これからやってくる本当の危機は、公的債務危機です。アメリカ国債の崩壊です。そして現在ヨーロッパで起きているユーロ通貨の崩壊よりももっと大きなスケールで起きるドルの崩壊です。

覚えていますか?住宅バブルに最初にヒビが入り始めた時、最初にサブプライム市場にサインが出たんです。TVに登場した政府やウォール街のエキスパート達はみんな「心配はいりません。状況はちゃんと管理されています。サブプライムだけのものですよ。とても小さな問題です。心配いりません。市場は安全です。」と言っていました。

その同じ時、私は「それは嘘です。これはサブプライムの問題ではないですよ。住宅ローン全体の問題です。住宅ローン全体の問題の最初の症状がサブプライムに出ているということです。症状がすでに出ているということです。感染を広がるとかそういう問題ではない。みんなすでに病気になっているんです。ただ症状が出るのに時間がかかっているというだけのことです。」と言っていました。

(訳者:Youtubeにピーターシフが当時様々なTVに登場し、発言して、ケインズ学派のエコノミスト達に笑われている映像が沢山アップされています。当時ケインズはみんな「問題ない」と言っていました。ケインズ学派の世の中は誰も当時ピーターの言っていることが本当になるとは思っていませんでした。オーストリア学派はみんなピーターと同じことを言ってましたが。)

同じことが公的債務の問題でも言えます。これはイタリアの問題でもなく、ギリシャの問題でもなく、アイルランドの問題でもないんです。これは負債の問題なんです。で、アメリカはヨーロッパより多くの負債を抱えています。

アメリカがお金を印刷出来て、そのお金が世界の基軸通貨だからといって、私達だけはこの法則から逃れられるというわけではないんです。現在、国家が責任を問われるという歴史的に重要な時を迎えています。イタリアとギリシャが、国民の支払能力を超えたお金を借りたように、アメリカも国民が絶対に支払えるはずがない規模のお金を借りています。

これらの借金を税金を1%上げたくらいで返せません。(すでに)税金を99%引き上げても支払えないんです。国家の歳入全てを返済に充てても支払えないんです。

(訳者:多分、日本の負債も似たようなレベルなのでは?こないだ池上彰さんの番組で、「日本の国の借金は年収500万円世帯当たり、1億円」って言ってました。それがホントなら、どんなに頑張っても絶対に返せないと思います。しかも国の借金は1秒間に330万円づつ増えてるそうです。税金払うのがほんとにイヤになります。バカバカしい。)

改革をしなくてはならず、いずれかの方法でデフォルトをしなくてはならないんです。
デフォルトには2つの方法があります。

私達は合法的にデフォルトすることが出来ます。
これは議会が債権者に「これらの国債に対して100%支払えません」と伝えます。そして公的年金や社会保障の給付金を受け取っている人達、これから受け取るつもりの人達に「申し訳ないが、お金がないので約束した通りのお金全てを渡すことが出来ません。」と伝え、減額して少しでも渡すことが出来るようにします。

或いは、通貨を紙切れになるまで印刷するか、です。そしたら「1コンチネンタルの価値もない」ではなく、「1連邦準備券の価値もない」って言わなくてはならなくなります。

--(訳者)-------------------
「1コンチネンタルの価値もない(not worth a Continental)」はアメリカの慣用句で、「一文の価値もない」という意味です。コンチネンタルとは18世紀にアメリカが独立戦争でイギリスと戦争をしていた時に、使われていた通貨(不換紙幣)です。戦争費用を捻出するために印刷しすぎて紙切れになってしまいました。なのでアメリカでは「 一文の価値もない」という時に「1コンチネンタルの価値もない」と言います。
-----------------------------

いずれにしても、アメリカにお金を貸している人達はお金を失います。貯蓄をしている人達もお金を失いますし、債権者もお金を失います。お金を返してもらえないか、返してもらったお金に価値がないか、どちらかです。
(訳者:これと似たような質問で、ウンコ味のカレーとカレー味のウンコどっちがいい?って小学生の時に聞かれたことがあります。)

問題なのは、長く待てば待つほど、みんなにとって悪い状況になることです。そして経済に対するダメージがより大きくなるんです。なぜなら、これらの悪い投資がどんどん増えるのを待てば待つほど、崩壊する時の影響が大きくなります。そして問題を修正して市場の均衡を取り戻すのがより難しくなります。

市場の均衡を取り戻すプロセスの一部は安定した通貨に戻ることです。金本位制に戻ることです。私は世界が金本位制に戻ると思っています。分からないのは、それまであとどれくらいかかるのか?そしてゴールドはその時いくらくらいになるのか?

しかしとにかく、金本位制に世界が戻れば、議会に規律が戻ってきます。なぜなら議会は納税者からお金を徴収しないとお金を使えなくなるからです。私達はお金をただ印刷することが出来なくなり、貿易赤字を膨らませることが出来なくなり、何かを輸入するのであれば、何かを輸出しなくてはならなくなります。輸出出来なければ、支払いにゴールドを渡さなくてはならなくなります。これが市場に均衡を取り戻させるものなのです。

長く待てば待つほど、間違いが積み重ねられ、問題を解決するのがより大変になります。

私達の自由に対する本当の脅威は、、、これからやってくるこの本物の危機、経済危機、金融危機は2008年に起きたものよりずっとひどいものになります。問題なのは、これらの全ての問題は政府が起こしたものです。政府が経済に干渉した結果、これらの問題が起きたんです。政府はこれら全ての、歪み、規制、助成金、お金の印刷を作り出しました。しかし、政府は自分たちの作り出した問題の責任を資本主義に擦り付けています。政府は資本主義と社会主義をごちゃまぜにして、問題を作り上げ、「ほら、資本主義は機能しないんですよ。あなたたちにはもっと大きな政府が必要なんですよ」と言い、政府をより大きくします。するとより多くの問題が作り出されるんです。

で、今回の問題はとてつもなく大きな問題なので、最終的に全て政府が支配する社会になってしまうかもしれません。(訳者:社会主義国になってしまうかもしれない、ということ)そうなると、私達のこの国の骨組みが完全に変わってしまうことになります。

だから議会には、これらの問題の根本原因をちゃんと理解している人達が出来るだけ多く入っている必要があるんです。これはあなたたちが誰に投票するかにかかっているんですよ。これらの問題が作り上げられたのは、「自由過ぎたから」でも「資本主義が過ぎた」からでもないんです。真逆です。政府が、市場に介入し市場を歪ませ、全てを細かく管理しようとした、そして、これらの全ての問題が作られたんです。

解決方法は市場に存在するんです。
解決方法はより大きな政府ではありません。より小さな政府が解決方法なんです。


市場を歪ませたこれらの全ての法律や規制を取り払い、安定した通貨(金本位制)に戻ることです。それをすれば、本物の経済成長と本物の発展を手に入れることが出来ます。

ちょっと我慢して痛みを受け入れなければならないですがね。苦い薬のようなもんです。でもそれで治るんだったら、それを飲まなくてはなりません。でももしあなたが病気でないフリを続けたり、症状を隠し続ければ、病気はどんどん悪くなります。それは間違った方向です。

では、質問を受け付けます。

(訳者:ここで終わりにします。)

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お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? (7) by ピーター・シフ 

以下は2,3年前にロン・ポール主催の集まりでピーター・シフが行ったレクチャーです。
オーストリア学派の基本的な考え方を分かり易く説明しています。


(29:26→33:37)

輸出の本来の意図というのは、仕事を作り出すことではありません。仕事を減らすことです。国が何かを輸出する理由は、何か別の物を輸入するためです。なぜならその輸入した物を消費したいからです。どうやって出来るだけ多くを消費することが出来るんでしょうか?

もし何かあなたが他者より上手く効率的に作れるものがあるなら、他の全ての物を自分で作ろうとするよりも、自分が人より上手く作れる物と、他者が自分より上手く作れる物を交換したほうががいいでしょう?

(訳者:例えば、山に住んでる人が山菜を取ってきて、海のそばに住んでる人が魚を釣ってきて、それぞれの品物を交換するほうが、山に住んでる人がわざわざ海まで出かけて慣れない釣りをして魚を得ようとするより、効率良く欲しい物を手に入れられる、ということです。)

あなたが輸出をする理由は、そうすることで何か他の物を買いたいからです。仕事を得るために輸出するんではありません。そんなことをすれば、あなたのところの労働力を無駄にしているだけです。

で、アメリカが世界の国々と貿易する時何が起きるかというと、彼等は自国で生産した物を私達に送ってきます。で、私達は彼等に「私達はあなた達に渡せる生産物はありませんよ。でも私達は借用書を持っています。ドルのことです。ドルをあなたに渡すことでいいですか?」と言います。すると世界はドルでいいと受け付けるんです。なぜならドルが世界の基軸通貨ですから。多分彼等は「いつかこのドルで何かを買おう」と思っているんでしょう。でも彼等は(私達から)何を買うことが出来るんでしょうか?年々、アメリカで生産される製品は少なくなっています。中国人が買いたいと思う物は全て中国で作られています。(訳者:全てを輸入し続けた結果、アメリカではもう殆ど何も生産されていないということです。)

このような仕組みがずっと今まで続いてきました。

で、今、全てがバブルになってしまいました。全てがインチキ経済になってしまいました。

アメリカ人が自分たちで生産したわけでもない、本来買えないはずの製品を買うために、自分たちが貯めていないお金を借りる、ということを前提にした、インチキ経済です。全てがインチキなんです。

で、アメリカの経済政策の全てはこのインチキ経済を継続するように設計されているんです。

(政府は)このインチキ経済が修正されることを許さないんです。なぜなら、その修正が行われるということは不景気になるということだからです。

私達は沢山の問題を抱えています。アメリカ経済の一番大きな問題は、金利が低すぎるということです。金利は上がらなくてはなりません。金利が上がらない限り、経済復活はありませんし、経済発展もありませんし、生産性の高い仕事を作り出すことも出来ません。金利が上がるととても辛いことになります。なぜならアメリカは巨額の借金を抱えているからです。金利が上がると具体的に何が起こるんでしょうか?

金利が上がれば銀行が破綻します。今度は政府は彼等を救済することは出来ません。不動産市場では何が起きるでしょうか?不動産価格はより下がります。これは下がらなくてはならない、これは修正の一部なんです。不動産価格は高すぎます。今でも高すぎなんです。

金利が上がると政府はどうなるんでしょうか?政府は支出を劇的に減らさなくてはならなくなります。そして今まで売った全ての国債に対してデフォルトしなくてはならなくなるかもしれません。

なぜなら、政府が借金の金利を支払えている唯一の理由は利率がとてもとても低いからです。じゃぁ、金利があがったらどうなるんですか?政府はそんな金利支払えません。ギリシャが国債を償還出来なくなったのと同じように、私達も支払えなくなります。

暫くの間ギリシャの金利は記録的な低さだったんです。で、ギリシャは何の問題もなかった。しかし金利が上がり、今、危機に直面しています。ここアメリカでも同じことが起きますよ。人々は「そんなことはアメリカでは絶対に起きない。なぜなら金利が上がることは絶対にないからだ。」と思っています。しかしそれは不可能なことです。金利は必ず上がります。

金利を人口的に低く抑えることで引き出される結果はなんでしょうか?それは私達が経済をめちゃめちゃにし続けるということです。自由市場の原理が不均衡を修正することを許さず、不均衡を大きくしているんです。


経済刺激策という毒を使えば使うほど、、、経済刺激策とは毒なんです。毒性のある鎮静剤です。最終的に過剰摂取になるんです。

もし金利を低いまま押さえつけたら、誰も貯金しなくなります。価値が下落し続けるお金を誰が貯金するというんですか?なので、貯蓄が損なわれます。そして経済が資本や成長や生産性を作り出す能力を損ないます。そしてとてつもないインフレを生み出します。

政府は暫くの間、インフレを隠すことが出来るでしょう。彼らは意図的に消費者物価指数を低く計算できる計算式を使って指数を低く出しています。この計算式はインチキです。これは数値を低く出すように意図的に作られたものです。彼等がインフレを測定する時、彼等は実際にはインフレを計算しているわけではなく、インフレの影響を算出しています。

しかしどこかの時点で、インフレが明白になり、それが価格に及ぼす大きな影響が明らかになり、政府はインフレが起きていないというフリをし続けることが出来なくなります。

その時、金利が上がるんです。そして大変な事態になるんです。その時が銀行が破綻する時です。

---(訳者)--------------
このレクチャーは3年ほど前に行われたものですが、もう上で説明されている時が来てしまっている、とオーストリア学派の人達が言っています。先日のジム・シンクレアのインタビューでもそう彼は説明していました。これ以上、今までのペースで量的緩和を続けると、ドルが紙切れへ。量的緩和を止めるまたは減らすと金利が上がる。その瀬戸際がもうすぐそこまで来ているそうです。
現在世界一の規模で量的緩和をやっている日本もインフレがすごいことなってきてます。このまま通貨が紙くずになるまで量的緩和を続けるのか、量的緩和を減らすのか、、、多分、安倍政権は紙切れになるまで通貨を印刷するほうを選ぶんだろうなと私は思ってます。
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