お金が経済危機を引き起こすってどういうこと? (7) by ピーター・シフ
以下は2,3年前にロン・ポール主催の集まりでピーター・シフが行ったレクチャーです。
オーストリア学派の基本的な考え方を分かり易く説明しています。
(29:26→33:37)
輸出の本来の意図というのは、仕事を作り出すことではありません。仕事を減らすことです。国が何かを輸出する理由は、何か別の物を輸入するためです。なぜならその輸入した物を消費したいからです。どうやって出来るだけ多くを消費することが出来るんでしょうか?
もし何かあなたが他者より上手く効率的に作れるものがあるなら、他の全ての物を自分で作ろうとするよりも、自分が人より上手く作れる物と、他者が自分より上手く作れる物を交換したほうががいいでしょう?
(訳者:例えば、山に住んでる人が山菜を取ってきて、海のそばに住んでる人が魚を釣ってきて、それぞれの品物を交換するほうが、山に住んでる人がわざわざ海まで出かけて慣れない釣りをして魚を得ようとするより、効率良く欲しい物を手に入れられる、ということです。)
あなたが輸出をする理由は、そうすることで何か他の物を買いたいからです。仕事を得るために輸出するんではありません。そんなことをすれば、あなたのところの労働力を無駄にしているだけです。
で、アメリカが世界の国々と貿易する時何が起きるかというと、彼等は自国で生産した物を私達に送ってきます。で、私達は彼等に「私達はあなた達に渡せる生産物はありませんよ。でも私達は借用書を持っています。ドルのことです。ドルをあなたに渡すことでいいですか?」と言います。すると世界はドルでいいと受け付けるんです。なぜならドルが世界の基軸通貨ですから。多分彼等は「いつかこのドルで何かを買おう」と思っているんでしょう。でも彼等は(私達から)何を買うことが出来るんでしょうか?年々、アメリカで生産される製品は少なくなっています。中国人が買いたいと思う物は全て中国で作られています。(訳者:全てを輸入し続けた結果、アメリカではもう殆ど何も生産されていないということです。)
このような仕組みがずっと今まで続いてきました。
で、今、全てがバブルになってしまいました。全てがインチキ経済になってしまいました。
アメリカ人が自分たちで生産したわけでもない、本来買えないはずの製品を買うために、自分たちが貯めていないお金を借りる、ということを前提にした、インチキ経済です。全てがインチキなんです。
で、アメリカの経済政策の全てはこのインチキ経済を継続するように設計されているんです。
(政府は)このインチキ経済が修正されることを許さないんです。なぜなら、その修正が行われるということは不景気になるということだからです。
私達は沢山の問題を抱えています。アメリカ経済の一番大きな問題は、金利が低すぎるということです。金利は上がらなくてはなりません。金利が上がらない限り、経済復活はありませんし、経済発展もありませんし、生産性の高い仕事を作り出すことも出来ません。金利が上がるととても辛いことになります。なぜならアメリカは巨額の借金を抱えているからです。金利が上がると具体的に何が起こるんでしょうか?
金利が上がれば銀行が破綻します。今度は政府は彼等を救済することは出来ません。不動産市場では何が起きるでしょうか?不動産価格はより下がります。これは下がらなくてはならない、これは修正の一部なんです。不動産価格は高すぎます。今でも高すぎなんです。
金利が上がると政府はどうなるんでしょうか?政府は支出を劇的に減らさなくてはならなくなります。そして今まで売った全ての国債に対してデフォルトしなくてはならなくなるかもしれません。
なぜなら、政府が借金の金利を支払えている唯一の理由は利率がとてもとても低いからです。じゃぁ、金利があがったらどうなるんですか?政府はそんな金利支払えません。ギリシャが国債を償還出来なくなったのと同じように、私達も支払えなくなります。
暫くの間ギリシャの金利は記録的な低さだったんです。で、ギリシャは何の問題もなかった。しかし金利が上がり、今、危機に直面しています。ここアメリカでも同じことが起きますよ。人々は「そんなことはアメリカでは絶対に起きない。なぜなら金利が上がることは絶対にないからだ。」と思っています。しかしそれは不可能なことです。金利は必ず上がります。
金利を人口的に低く抑えることで引き出される結果はなんでしょうか?それは私達が経済をめちゃめちゃにし続けるということです。自由市場の原理が不均衡を修正することを許さず、不均衡を大きくしているんです。
経済刺激策という毒を使えば使うほど、、、経済刺激策とは毒なんです。毒性のある鎮静剤です。最終的に過剰摂取になるんです。
もし金利を低いまま押さえつけたら、誰も貯金しなくなります。価値が下落し続けるお金を誰が貯金するというんですか?なので、貯蓄が損なわれます。そして経済が資本や成長や生産性を作り出す能力を損ないます。そしてとてつもないインフレを生み出します。
政府は暫くの間、インフレを隠すことが出来るでしょう。彼らは意図的に消費者物価指数を低く計算できる計算式を使って指数を低く出しています。この計算式はインチキです。これは数値を低く出すように意図的に作られたものです。彼等がインフレを測定する時、彼等は実際にはインフレを計算しているわけではなく、インフレの影響を算出しています。
しかしどこかの時点で、インフレが明白になり、それが価格に及ぼす大きな影響が明らかになり、政府はインフレが起きていないというフリをし続けることが出来なくなります。
その時、金利が上がるんです。そして大変な事態になるんです。その時が銀行が破綻する時です。
---(訳者)--------------
このレクチャーは3年ほど前に行われたものですが、もう上で説明されている時が来てしまっている、とオーストリア学派の人達が言っています。先日のジム・シンクレアのインタビューでもそう彼は説明していました。これ以上、今までのペースで量的緩和を続けると、ドルが紙切れへ。量的緩和を止めるまたは減らすと金利が上がる。その瀬戸際がもうすぐそこまで来ているそうです。
現在世界一の規模で量的緩和をやっている日本もインフレがすごいことなってきてます。このまま通貨が紙くずになるまで量的緩和を続けるのか、量的緩和を減らすのか、、、多分、安倍政権は紙切れになるまで通貨を印刷するほうを選ぶんだろうなと私は思ってます。
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輸出の本来の意図というのは、仕事を作り出すことではありません。仕事を減らすことです。国が何かを輸出する理由は、何か別の物を輸入するためです。なぜならその輸入した物を消費したいからです。どうやって出来るだけ多くを消費することが出来るんでしょうか?
もし何かあなたが他者より上手く効率的に作れるものがあるなら、他の全ての物を自分で作ろうとするよりも、自分が人より上手く作れる物と、他者が自分より上手く作れる物を交換したほうががいいでしょう?
(訳者:例えば、山に住んでる人が山菜を取ってきて、海のそばに住んでる人が魚を釣ってきて、それぞれの品物を交換するほうが、山に住んでる人がわざわざ海まで出かけて慣れない釣りをして魚を得ようとするより、効率良く欲しい物を手に入れられる、ということです。)
あなたが輸出をする理由は、そうすることで何か他の物を買いたいからです。仕事を得るために輸出するんではありません。そんなことをすれば、あなたのところの労働力を無駄にしているだけです。
で、アメリカが世界の国々と貿易する時何が起きるかというと、彼等は自国で生産した物を私達に送ってきます。で、私達は彼等に「私達はあなた達に渡せる生産物はありませんよ。でも私達は借用書を持っています。ドルのことです。ドルをあなたに渡すことでいいですか?」と言います。すると世界はドルでいいと受け付けるんです。なぜならドルが世界の基軸通貨ですから。多分彼等は「いつかこのドルで何かを買おう」と思っているんでしょう。でも彼等は(私達から)何を買うことが出来るんでしょうか?年々、アメリカで生産される製品は少なくなっています。中国人が買いたいと思う物は全て中国で作られています。(訳者:全てを輸入し続けた結果、アメリカではもう殆ど何も生産されていないということです。)
このような仕組みがずっと今まで続いてきました。
で、今、全てがバブルになってしまいました。全てがインチキ経済になってしまいました。
アメリカ人が自分たちで生産したわけでもない、本来買えないはずの製品を買うために、自分たちが貯めていないお金を借りる、ということを前提にした、インチキ経済です。全てがインチキなんです。
で、アメリカの経済政策の全てはこのインチキ経済を継続するように設計されているんです。
(政府は)このインチキ経済が修正されることを許さないんです。なぜなら、その修正が行われるということは不景気になるということだからです。
私達は沢山の問題を抱えています。アメリカ経済の一番大きな問題は、金利が低すぎるということです。金利は上がらなくてはなりません。金利が上がらない限り、経済復活はありませんし、経済発展もありませんし、生産性の高い仕事を作り出すことも出来ません。金利が上がるととても辛いことになります。なぜならアメリカは巨額の借金を抱えているからです。金利が上がると具体的に何が起こるんでしょうか?
金利が上がれば銀行が破綻します。今度は政府は彼等を救済することは出来ません。不動産市場では何が起きるでしょうか?不動産価格はより下がります。これは下がらなくてはならない、これは修正の一部なんです。不動産価格は高すぎます。今でも高すぎなんです。
金利が上がると政府はどうなるんでしょうか?政府は支出を劇的に減らさなくてはならなくなります。そして今まで売った全ての国債に対してデフォルトしなくてはならなくなるかもしれません。
なぜなら、政府が借金の金利を支払えている唯一の理由は利率がとてもとても低いからです。じゃぁ、金利があがったらどうなるんですか?政府はそんな金利支払えません。ギリシャが国債を償還出来なくなったのと同じように、私達も支払えなくなります。
暫くの間ギリシャの金利は記録的な低さだったんです。で、ギリシャは何の問題もなかった。しかし金利が上がり、今、危機に直面しています。ここアメリカでも同じことが起きますよ。人々は「そんなことはアメリカでは絶対に起きない。なぜなら金利が上がることは絶対にないからだ。」と思っています。しかしそれは不可能なことです。金利は必ず上がります。
金利を人口的に低く抑えることで引き出される結果はなんでしょうか?それは私達が経済をめちゃめちゃにし続けるということです。自由市場の原理が不均衡を修正することを許さず、不均衡を大きくしているんです。
経済刺激策という毒を使えば使うほど、、、経済刺激策とは毒なんです。毒性のある鎮静剤です。最終的に過剰摂取になるんです。
もし金利を低いまま押さえつけたら、誰も貯金しなくなります。価値が下落し続けるお金を誰が貯金するというんですか?なので、貯蓄が損なわれます。そして経済が資本や成長や生産性を作り出す能力を損ないます。そしてとてつもないインフレを生み出します。
政府は暫くの間、インフレを隠すことが出来るでしょう。彼らは意図的に消費者物価指数を低く計算できる計算式を使って指数を低く出しています。この計算式はインチキです。これは数値を低く出すように意図的に作られたものです。彼等がインフレを測定する時、彼等は実際にはインフレを計算しているわけではなく、インフレの影響を算出しています。
しかしどこかの時点で、インフレが明白になり、それが価格に及ぼす大きな影響が明らかになり、政府はインフレが起きていないというフリをし続けることが出来なくなります。
その時、金利が上がるんです。そして大変な事態になるんです。その時が銀行が破綻する時です。
---(訳者)--------------
このレクチャーは3年ほど前に行われたものですが、もう上で説明されている時が来てしまっている、とオーストリア学派の人達が言っています。先日のジム・シンクレアのインタビューでもそう彼は説明していました。これ以上、今までのペースで量的緩和を続けると、ドルが紙切れへ。量的緩和を止めるまたは減らすと金利が上がる。その瀬戸際がもうすぐそこまで来ているそうです。
現在世界一の規模で量的緩和をやっている日本もインフレがすごいことなってきてます。このまま通貨が紙くずになるまで量的緩和を続けるのか、量的緩和を減らすのか、、、多分、安倍政権は紙切れになるまで通貨を印刷するほうを選ぶんだろうなと私は思ってます。
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